痛みについて
「痛み」 誰もが知っていますし、誰もが使います。
筋骨格系の問題以外にも内臓系の問題でも「痛み」が出現します。
言わば、カラダの注意信号であり、警報です。
しかし、その正体とはいったい何なのか?
苦痛を伴う感覚の一種であることは、理解できますが、本体や機序(しくみ)はごく一部しか解明はされていないようです。
例えば、腰痛でいうならば、診断がつかない腰痛が全体の約85%ほどあり、西洋医学領域(整形外科領域)では原因が不明と言われています。ですから、腰痛患者さんは増える一方で、各種治療院が乱立しております。しかしその一方で、病院や大多数の治療院での治療よりもはるかに高いパーセンテージで効果を上げている、一部の治療院も存在します。
心身や意識と痛みは切り離せない関係にあるといわれるようになってきています。よって、患者さんのカラダの反応を読み取り、患者さんに寄り添い、感情を汲んで施術している治療院は、腰痛に限らず、訴えてくる症状に対して、高い効果を上げているのです。
当院での対応は心身や意識も含めて全人的な施術をモットーにしております。
「痛み」は負のスパイラル(悪循環)を起こす
痛みは苦痛ですし、不快なものです。不快なものはストレスとして働き、それが続くと生活の質が低下します。そして、脳を介して、自律神経系に影響を与えます。
自律神経は、心臓や血管、呼吸、消化、吸収、排泄、体温、代謝、免疫などの働きを調節しています。
慢性痛になると、自律神経、ホルモン調節を行う調節中枢を介して、カラダの恒常性が損なわれ、心身を崩してしまいます。
痛みは、意識と深い関係があり、情緒とも密接な関係があります。不安があると、痛みの閾値が下がり、すなわち、痛みに過敏な状態になり、逆に精神的緊張が取れると閾値が上がります。痛みは意識の状態や集中度、精神的状況と深い関係があります。痛みの状態が続けば、続くほど負のスパ痛みはイラルから抜けられなくなるのです。(早期に対応をしましょう!)
「痛み」はどこで感じるのか?
カラダに炎症や血液の巡りが悪い部分、糖尿病や痛風などの代謝性疾患があるときに痛みを感じます。そして感じるのは脳なのです。
神経の末端に作用する、元々からだに存在する痛みの物質が、末梢神経の痛みを感知し、脳へと刺激を送ります。
いくつかの種類の痛み物質がありますが、少しそれが出ただけで痛みを感じるというのは間違いで、そこに閾値が関係してきます。集中していたり、精神状態が良かったりすれば、閾値は高い状態であるため、脳は痛みを感じないのです。
しかし、精神状態や感情と言われても、ほとんどの患者さんがそれを受け入れられないのが事実です。なぜならヒトの意識はほとんどが潜在意識であり、日常意識できている顕在意識の情報は氷山の一角にしかないからなのです。
「痛み」はなぜつらいのか?
脳の深い場所にある、快・不快の中枢である大脳辺縁系という箇所が刺激されるからだと言われています。
痛いと感じるのは、大脳皮質の感覚野であり、痛いと感じる強さが大きいと感覚野と大脳辺縁系との間で情報のやり取りが起こります。
薬により、大脳辺縁系の機能を制御した実験では、痛みの刺激による「苦痛」が生じなかったという結果があるそうです。言い換えれば、痛み刺激が脳に届いていても、大脳辺縁系がきちんと制御できれば、意識のある状況下でも、痛みを苦痛に感じないと考えられるのです。
記憶による条件反射と脳の誤作動
痛いと感じるのは、大脳皮質感覚中枢と大脳辺縁系の関与が必須であり、両者のやりとりの中で、過去の経験と照らし合わせて、苦痛の程度や性質が異なってきます。そこには「意識がある」という前提があります。意識が無ければ、痛みを感じることも苦痛を感じることもありません。
また、痛みを感じ、それを苦痛に思うのは、大脳皮質感覚野のみならず、大脳辺縁系、視床、脳幹網様体の機能、そしてそこに至るまでの電気的電導、化学的伝達が正常に機能していることが必須です。また、さらに苦痛と感じながら、どのように行動するかは、大脳皮質前頭前野や運動野の関与があります。
痛みの記憶は大脳辺縁系に保持され、記憶を反射的によみがえらせた時点での感情、すなわち大脳全体の機能の出力によって、脳だけではなく、神経システムを介し、体全体の有機的なつながり、統制となると考えられます。そして、脳の複雑に絡み合った脳神経機能が何らかのちょっとした不具合により、記憶による反射は誤作動を起こす場合もあるかもしれません。
「痛み」は人体にとって最大の有害ストレス
痛みストレスは・・・・
- 心臓・血管に障害をもたらす。
- 皮膚血流を低下させる。
- 筋肉の硬直をもたらす。
- うつ病のもとになる。
- 記憶される。
一旦、腰痛などの痛みを経験すると、脳が痛みを記憶するため、同じような条件が揃うと条件反射による脳の誤作動が起こると前述しています。ですから、痛みが消えてもある一定期間(個人差はあると思いますのでどのくらいとは言いづらいですが、、、)は、脳の記憶を断ち切るために継続的なメンテナンスが必要な場合が多いようです。
あらゆる痛みの相談所、PAOカイロプラクティック上野御徒町